ミーシャ。
2019年 夏,
長く飼っていた3匹の猫たちをなくして,
もう2度と猫は飼わないと決めていた
私の心は,この子との出会いで覆りました。
ミーシャを飼うことを決めた日は,
チャー1回目の命日の翌日。
「猫のいない生活が1年過ぎたぞ。
やっぱりオマエには猫が必要だろ。」
チャーに言われた気がしました。
ミーシャとの出会いから今までをお話しします。
Contents
二度と猫は飼わないと誓った私の 危険なお手伝い
2019年 夏
「仔猫がたくさん生まれて,
飼い主を探している人がいるから,
手伝ってもらえないか」
知り合いから連絡がありました。
私自身は2017年〜2018年に
長く飼っていた3匹の猫を次々に亡くし,
2度と猫は飼わないと決めていました。
当時55歳という私の年齢では,
これから仔猫を飼い始めたら,
最後まで面倒を見ることができない
可能性が高いと思っていたからです。
仔猫たちが幸せになるならと,里親探しの
お手伝いだけさせてもらうことにしました。
だけど,かわいい仔猫たちを見ても
心が動かないという強い自信は
ありませんでした。
正直,最初から半分負ける覚悟をして
足を踏み込んだというほうが
正しいかもしれません。
まず,どんなネコちゃんがいるのか,
できるだけたくさん
写真を送ってもらいました。
次々に届く写真。
大丈夫,大丈夫。
私の心をつかむ子はいない。
いない,いない,いな…
ん?
すごい。絵を描いたような顔。
仮面をかぶっているような,
コウモリがくっついてるような。
黒猫と白猫が顔の中でシンクロ?
こんな顔の子,二度と巡り逢えないな。
1匹の仔猫の写真に
ひと目で惹きつけられてしまいました。
でもね,
どうせ片思いだし。
会ってみて,
向こうも気に入ってくれれば別だけど,
そんなうまい話はないからね。
縁はないよ。 ないない。
自分の中で,何とか諦める理屈をつけ,
里親さん探しを開始しました。
初対面 ほーら,やっぱりね
娘にも仔猫たちの写真を送って,
里親さん探しを手伝ってもらいました。
すると,友達の実家で,
オスの仔猫を飼いたいということ。
「この写真の子を引き取りたいんだって。」
その子を預かるため,
仔猫が生まれたお家に
初めて伺うことになりました。
車で1時間ほどの距離。
運転している間,
ちょっとドキドキしていました。
私が一目惚れしたあの子にも会えるんです。
目が合ってしまったらどうしよう。
そんなことを考えながら,
さんざん道に迷った挙句,
なんとかお家にたどり着きました。
優しい飼い主さんが預かる仔猫ちゃんを
連れてきてくださいました。
その仔猫ちゃんは,
自分がどこかに行くことを
ちゃんとわかっているようでした。
「長旅になるから,
ご飯を食べておきましょうね。」
仔猫ちゃんが手作りのご飯を食べている間,
他の子たちにも会わせてもらいました。
数匹の母猫が次々に出産したということで,
母親が同じ仔猫ごとに
違う場所で世話をされていました。
あの子はどこかな?
あ! いた!
お風呂の脱衣所のグループに,
忘れられない顔のあの子がいました。
たくさんの仔猫たちが
重なり,もみ合うように動き回っています。
こっちに来るかな?
私の方,見ないかな。
ちょっと期待しましたが,
どの子も私に興味はないようです。
「次はお風呂場へ。」
言われるまま
次のグループに移動しました。
お風呂場から出るとき
もう一度脱衣所を通りましたが,
やはりあの子が私を見ることは
ありませんでした。
ほーら,やっぱりね。
私の完全な片想い。縁はないわ。
本音はかなりガッカリしていましたが,
私が飼わないほうがいいんだから
これでよかったと自分に言い聞かせ,
預かる子を連れて里親さん宅に向かいました。
娘の友達のお母様に
仔猫さんを引き渡し,
「先住猫さんもいて,
環境のいいお家でしたよ。」
と,生まれたお家に報告。
無事,その日の役割を終えました。
2度目の面会 あの子が私を選んでくれた⁈
数日後,また娘から
仔猫を引き取りたい人がいると
連絡がありました。
今回は娘の住む東京の人です。
女の子が希望で,
写真を見て希望の子を選ばれました。
近いうちに娘が帰省し,
東京まで連れて行ってくれるというので,
それまでその仔猫さんを
ウチで預かることにしました。
少しの間ですが,
私も久しぶりに仔猫と生活できるので
ワクワク。
8月25日に譲渡会をされることになり,
その日に合わせてお迎えに行きました。
たくさんの仔猫が部屋の中に放してあり,
他のお客様もたくさん来られて
猫たちと触れ合っていらっしゃいました。
預かる猫さんを連れて帰るのが
今日のお仕事ですが,
せっかくだから他の子たちとも会いたい。
ちょっとゆっくりさせてもらって,
またあの子を探しました。
全部の子がその部屋にいるわけでは
ないようでしたが,
いました!
部屋の端に置いてある籠の中に,
大人しくうずくまっていました。
知らない人が苦手なのか,
他の子たちが部屋で遊んでいても
出てこようとしません。
少し離れたところからのぞき込み,
声をかけてみました。
前回とは違い,1対1でこの子と
向き合うことができています。
目も合いました。
今回はさすがに,
あの子が私の存在に気づいてくれました。
少し慣れるのを待って
そっと撫で…
その後。。。
正直,どういう流れでこうなったのか
はっきり覚えていません。
お家の方と話をしているうちに,
気がついたら写真のような状態に
なっていたのです。
愛しのあの子が私の膝で熟睡。
これって,
私を選んでくれたと思っていいのかな?
将来の不安もねじ伏せてしまえるくらい
嬉しくて,
「すみません。この子,
私が引き取らせてもらっていいですか?」
そんな言葉が口から出てしまっていました。
生まれたお家の方は,
喜んでくださいました。
この子の顔はアーティスティックで
好む人と嫌う人にはっきり分かれるから,
里親が見つかるかどうか
心配されていたのだそうです。
私にはドンピシャでした。
前回猫さんを預かるときもそうでしたが,
片手で持ち運べるケージを
車の中に1つ多めに積んでいました。
迎えに行っている間に
誰かから引き取りたいという連絡が
あるかもしれないし…
などと自分に言い訳していましたが,
あの子が私を選んでくれたら連れて帰ろう
本心は,そんな期待をしていたのです。
期待通り,
お預かりする子を用意したケージに入れ,
もう一つのケージにあの子を入れて,
私は帰途につきました。
ウチの子と預かっている猫ちゃんとの仲が…
家に着いたのは暗くなってから。
部屋の電気をつけて
仔猫たちを部屋に放すと,
預かった子は
部屋を散策し始めました。
でも,うちの子になるあの子は,
机の引き出しの下の狭い隙間に
すぐに隠れてしまいました。
慣れない環境に戸惑っているのだから,
しばらくそっとしておいてやろう。
だけど,
夜中まで待っても
あの子は出てきません。
もしかして,
引き出しの下で潰れてるんじゃないか⁈
心配になって,コロの付いた引き出しを
そっと動かしてみました。
ちゃんと生きていました。
向こうのお家を出る前に
ご飯は食べさせてもらいましたが,
さすがにもうお腹がすいているはずです。
そっと奥に手を突っ込み,
誘い出しました。
心細かったみたいです。
引っ張り出してくれるのを
ずっと待っていたのかもしれません。
自分から動く子ではないようなので,
気をつけないといけないと思いました。
ご飯を食べさせた後,
またどこかに隠れてしまってはいけないので
2匹をケージに入れました。
用意していた部屋用のケージは1つだけ。
そのケージに2匹を一緒に入れると,
激しいケンカを始めました。
この子たちは母親が違うから,
今まで別々の部屋で暮らしていたのです。
知らないヤツと一緒に狭いケージに入れられ
お互いに居心地が悪かったようです。
以前,猫が3匹いたときのケージは,
もう飼わないと決めたときに,ほとんど
知り合いにあげてしまっていました。
部屋に準備していたのは,
犬のミル用に買ったものです。
今日来るのは1匹だけの予定だったし,
もし2匹になったとしても,まだ小さいから
これで十分だと思っていました。
西日本豪雨で引っ越しを余儀なくされた家に
2階建てのケージがひとつ残っていますが,
分解して持ってくるのは大変だし,
仔猫のうちはこれでいいだろうと。
甘かった。。。
仕方がないので,その夜は
うちの子を手提げのケージに寝させ,
翌日小さいケージを1つ買ってきました。
ケージを2段に重ね,
お互いの顔が見えないようにしました。
それでもお互いに隙間から手を伸ばしては
ケンカする2匹。
でも,不思議といつも同じ格好で寝ています。
上のケージに入る大きさの
トイレがないので,
緑の座布団が寝床兼トイレに。
2枚の座布団を入れ替えながらですが,
毎日洗濯が大変です。
まあ,預かってる子が東京に行くまでの
3週間だけだから。
そう思って頑張りました。
命名ミーシャ レイちゃんとの仲もいつしか落ち着いて
最初の夜は落ち着かず,
うちの子に名前を付けることも
できませんでした。
ちゃんと名前を付けたのは
ウチに来た翌日。
「猫はフランス語で ”シャ”
っていうらしいよ。
カッコよくて,この子に似合いそう。」
一緒に譲渡会に行った友達に言われたのを
ヒントにしました。
”シャ”だけじゃ呼びにくいかな。
ちょっと男の子みたいだし。
猫の鳴き声のミーを付けて,
”ミーシャ”
ってどうだろう?
歌手のMISIAさんにもあやかって。
以前飼っていたチャーの名前も,
茶色いからというだけでなく,
ミュージシャンのCharさんにあやかって
つけたことを思い出しました。
チャーが来た当時,
バンドを組もうと頑張っていたのですが,
ギターを弾いてくれる人が
見つからなかったのです。
この子がギターを弾いてくれたらいいのに。
チャーの名前にはそんな無茶な願いが
込められていました。
そういえば,
ミーシャを迎えることを決めた日は
チャーの一回忌の翌日。
チャーがミーシャとの縁を
繋いでくれたのかもしれません。
預かっている子は,
元のお家でレイちゃんと呼ばれていたので
うちでもそのままの名前で
呼ばせてもらうことにしました。
3週間だけウチにいる予定だった
レイちゃんも,結局うちの子になり,
詳しくはレイのページで↓
変わらず激しいバトルを繰り返していました。
でも寝ている姿勢は,いつも同じなのです。
この2匹,どこかで繋がってる。
ウチで一緒に暮らすことになったのは,
ただの偶然ではないと感じます。
そして,ある日。
え⁈
2匹がお互いに相手を舐め合っています!
いつの間に,
こんなに仲良くなったのでしょう?
嬉しい悲鳴を上げた出来事でした。
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