避妊手術した猫の発情が止まない! その生活と解決するまでの道のり

 

ウチにはかなり運の悪い猫がいます。

レイというメス猫です。
この子がウチに来た事情についてはコチラ↓
https://d-marron.com/rei

 

滅多にないことらしいのですが、
この子は避妊手術をしたのに
発情期が無くならなかったのです。

 

その時期が来ると
どこから出るのかと思うような大きな声で

「アンニャー。アンニャー。」

と鳴き続け,
外に出て行こうとします。

 

しかもそれは2週間に1度やってきて、
5日間くらい続くのです。

 

夏頃4ヶ月くらいのお休みがありますが、
それ以外は1年中です。

 

夜も昼もないのでこちらも睡眠不足になるし、

撫でてやると少し落ち着くから、
母は撫で続けて腕がパンパン。

 

本人もこちらもヘトヘトです。

 

同じ部屋で過ごすもう一匹の猫ミーシャも、
どうしてやることもできず困っている様子。

 

私たちはこの時期を
レイの”アンニャ”と呼び、

「また,アンニャが来たみたいよ。」

と、こわばる笑顔で迎えます。

 

飼い猫の平均寿命は15年くらい。

 

年々平均寿命は伸びているし、

うちのような完全室内飼いの場合は
事故が少ない分,もう少し長いようです。

 

そんなに長い間こんなことが続いたら
お互いにかなり辛い時間を
過ごさなければなりません。

 

せっかくウチに来てくれた子です。

できるだけ楽しく穏やかな日々を
一緒に過ごしたい。

 

今回は、この問題を
解決するまでのお話をします。

 

同じ思いをしている数少ないお仲間の
お役に立てると嬉しいです。

 

 

避妊手術をしたのに 発情期がやってきた?

 

レイは2019年4月25日に生まれ,
その年の8月25日にウチに来ました。

 

その冬,初めての発情期がきて,
そろそろ手術したほうがいいな,と
病院を予約。

 

2020年2月5日,
同じ日にウチに来たミーシャと一緒に
避妊手術を受けました。

 

これで発情期はなくなるはず

 

ところが,レイは
手術からちょうど1ヶ月経った3月5日,
また”アンニャ”がやってきたのです。

 

でも,
その時は2~3日でおとなしくなりました。

 

発情期にしては短かったので.

気のせいだったのかな。

と思ったのですが…

 

4月3日,それはまたやってきて,
今度は本格的に5日くらい続きました。

 

気のせいではなかったのです。

 

どうして⁈

 

こんなことがあるのかとググってみると,
いくつか記事が出てきました。

 

手術が成功していても
極めて稀にこういうことが起こるようです。

 

数件の事例を見ましたが

もう一度お腹を開けてみて
解決する子もいれば,

手術しても
原因が分からない場合もあるようです。

 

もう一度お腹を切っても
治らないかもしれないのなら,
そんな危険な目にあわせたくはありません。

 

その時期に精神安定剤を
飲ませているという人もいたけど,
薬を飲ませるというのも…

 

あれこれ考えているうち,
すぐに次がやってきました。

 

4月16日

前回から2週間もたってない⁈

 

こんなに続いてはお互い体力が持ちません。

 

 

もうちょっと様子を見て,
おさまらないようなら
手術した病院に相談してみよう。

 

発情期の記憶が残っていて
そういう行動をする子もいるらしいから,

もしかしたら,
時間がたてば落ち着くかもしれないし。

 

そんな淡い期待もむなしく

 

5月1日に4度目の
”アンニャ”はやってきました。

今回は4日間。

 

ところが,
5月19日の短い ”アンニャ” のあと,
それはピタリとなくなりました。

 

やった! なくなった!

 

喜んだのもつかの間。

 

まだ暑さの残る9月24日

「アンニャー。」

という聞きなれた声が。。。

 

”アンニャ” はまたやってきました。

 

久しぶりに始まってからは特にひどく,

2週間周期でやってきて,
5日間くらい続くのです。

 

やっぱり,どうにかしなきゃいけない。

とりあえず
手術してもらった病院に相談してみよう。

 

 

発情期の記録 手術した病院に相談したけれど…

 

10月、混合ワクチンの接種に行ったとき、
手術してくださった病院の先生に状況を話し
相談してみました。

 

「二人で手術して、
確かに全部取ったんですよ。

ここからは細胞レベルの話になるので
どうにも…」

 

…ですよね。

 

ネットの情報から、
どうにもならないという答えが
返ってくる気はしていました。

 

「夏の間はなかったから,
おさまったのかと思ってたんですけど。」

 

「夏と冬は発情期がないんですよ。」

と先生。

 

あ,夏休みだったんですか。

でも,冬休み…?

去年はなかったけど…

 

それからもずっと”アンニャ”はやってきて、
やはりその冬も休まず続きました。

そして、4月21日からの軽い発情を最後に
また夏休みに入りました。

 

 

アンニャの記録を表にしようとしましたが、
上手くできなかったので
スマホの記録をスクショしました。

 

夏休み

夏休み

 

こんな感じです。

いつ始まっていつ終わったかは
はっきりしないので、
”4,5日”のように表記しています。

 

冬は発情しないとのことでしたが、
レイには全く冬休みはありません。

 

しかも、もう夏休みが終わったのか、
8月2日からまたアンニャが始まりました。

 

まだ真夏なんですけど!

 

去年より1カ月早くお休みに入ったから、
始まるのも早いようです。

 

この暑さの中のアンニャ、辛すぎる。。。

 

 

福山市に卵巣遺残を治療してもらえる病院があった!

 

さすがにそろそろなんとかしないと
お互いに限界です。

 

ダメ元で、もう一度
違う情報を求めてググってみました。

 

すると…  え⁈

福山市に対処してもらえる病院がある!

 

去年は出てこなかった検索結果が
出てきました。

 

2008年の記事だから、
去年は検索の仕方が悪くて
辿り着けなかったのでしょう。

諦めないで
しっかり探さなければいけませんね。

 

こちらがその時見つけた
動物医療センター・ALOHAさんの記事です↓

http://www.dr-wanwan.com/blog/entry-511.html

 

 

広島県の郡部に住んでいますが、
福山なら車で1時間くらいで
行くことができます。

 

長い苦しみから解放されるかもしれない!

そう思うと嬉しくて、
夜中でしたが、すぐにメールフォームから
問い合わせることにしました。

 

これまでの状況を記し、
一度診察してもらうことはできないかという
メッセージを送信。

 

すると、翌朝すぐに、
院長先生から丁寧なメールをいただきました。

 

メールには、

症状的には卵巣遺残が疑われること。

遺残卵巣は小さいことが多くて、
レントゲンやエコーで見つけにくく、
卵巣がある場所をCT検査で確認するか、
おなかを開けて探すかになること。

 

など、わかりやすく説明してくださって
いました。

 

繰り返しの発情が来ると
猫や飼い主のストレスも大きいから、
治療してあげた方がいいのでは

とこちらを気遣ってくださり、

「まず一度診察にいらしていただいて、
相談させていただければと思います。

電話で予約を取っていただいて、
いらしていただけますか?」

 

と結ばれていました。

 

メールをいただいた8月12日、
早速 動物医療センター・ALOHAさんに
予約の電話を入れました。

 

お忙しい院長先生の予定と
私の仕事の都合で、
初回の診察の予約が取れたのは8月30日。

 

それまでの間にもう一度
アンニャがやってきましたが
いつもより短かったし、

もうすぐ苦しみが終わるというのもあって、
苦にはなりませんでした。

 

そしていよいよ診察の日。

 

レイは洗濯ネットにあっさり入り、
そのまま手提げのケージに入って
車に乗りました。

 

でも、いつも一緒のミーシャがいません。

不安になったようで、
車が動き出して病院に着くまでの間ずっと
大きな声で鳴き続けました。

 

ずっとレイに話しかけながら運転。

 

ウチにやってきたとき以来の長旅をして、
レイは動物医療センター・ALOHAさんの
診察室に到着しました。

 

 

動物医療センター・ALOHAさんで手術 卵巣が4つあった⁈

 

 

 

 

 

 

 

 

 

初めての診察

初めてお会いする院長先生は、
メールのまま、親切で丁寧な方でした。

 

アンニャの記録を見てもらうと、
これほど頻繁に発情期が来ているなら
間違いなく卵巣が残っているはず
と言われました。

 

卵巣が残っているのには

 

1.手術の時に卵巣を取り残している場合。

2.卵巣はちゃんと摘出しているが、先天的に
 別の場所にも卵巣のようなものがある場合。

3.肉眼で見えない小さな卵巣の細胞が
 手術の時おなかに落ち、再生している場合。

 

があるそうです。

 

手術していただいた病院のお話から、
1.はないと思いました。

翌月からすぐ発情が始まったことから、
3.も可能性は低いと感じました。

 

だとすると、2.の

卵巣はちゃんと摘出しているが、先天的に
別の場所にも卵巣のようなものがある

が一番怪しい。

 

本当に卵巣が残ってるか確認するために
先にホルモン検査をする方法と、
すぐCT検査で卵巣を探す方法の
どちらを選択するか尋ねられました。

 

ホルモン検査は、発情の状況を見ながら
何度か通わないと結果が出ないとのこと。

 

レイの場合、先生もおっしゃるように、
間違いなくまだ卵巣があると私も思ったので、
CT検査をして、卵巣が見つかれば
その日に手術するという方を選択しました。

 

「辛いだろうから、
できるだけ早く手術してあげたい。」

と、
私の仕事が空いている一番早い日。
9月6日に手術の予定を
組んでくださいました。

 

手術当日

9月6日、お昼前に
再び動物医療センター・ALOHAさんへ。

 

多分CTで卵巣が見つかると思うけれど、
もし見つからなければ連絡をするから
携帯はつながるようにしておくように。

連絡がなければ予定通り手術しているので、
夕方5時くらいに迎えに来てください。

 

とのことでした。

 

レイをお任せし、
何も連絡がなかったので、
夕方迎えに行きました。

無事、手術が終わっていました。

 

 

院長先生がCTや手術中の写真も見せながら
図に描いて詳しく説明してくださいました。

 

両方の腎臓にくっつくように1つずつ、
普通の子にはない卵巣があったそうです。

 

まさに

卵巣はちゃんと摘出しているが、先天的に
別の場所にも卵巣のようなものがある場合

だったのですね。

 

レイは、
最初の手術で取ってもらったのと合わせて
4つの卵巣を持って生まれていたのです。

 

運悪く辛い思いをしましたが、
これでもう、きっと大丈夫。

 

 

何度も遠方まで来るのは
レイにとって負担になるから、
抜糸は地元の病院でできるようにと
院長先生が連絡を入れてくださいました。

 

翌日には病院の方から
「レイちゃん、体調に変化はないですか?」
というお電話もいただきました。

傷を舐めないようにつけてもらったカラーで
動きにくくておとなしくしていましたが、
特に具合が悪そうな様子はなかったので、
そう報告しました。

 

 

手術後のレイ

 

あまり切らないように
小さな傷で手術してくださったので、
身体への負担も少なかったようです。

 

おかげさまで、抜糸する頃には
以前のようにミーシャと部屋を
駆け回っていました。

 

手術の後は発情することもなくなり、
落ち着いた生活ができるようになりました。

 

 

手術前に、手術できる状態かどうか
健康診断をしてもらっていましたが、
そちらもほぼ問題なくて安心。

 

ただ、ちょっと太り過ぎているので、
食事制限をしたほうがいいという、
アドバイスをいただきました。

 

体重に合う食事の量を調べ、
量ってやるように変えましたが、
ますます丸くなったような…

 

避妊手術をすると太りやすくなると
聞いたことがありますが、
そのせいなのでしょうか?

ちなみにミーシャも手術していますが、
こちらは太ってはいません。

 

 

体重のことなど、
これからもいろんな心配事は
起こるかもしれませんが、
とりあえず、レイの”アンニャ”騒動は
一段落いたしました。

 

長く苦しい日々から救ってくださった
動物医療センター・ALOHAの院長先生に
心から感謝いたします。